こまきの食育

食育とは

食育

「食育」とは、国の定める「食育基本法」の中では、次のように説明しています。

(1)生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきもの
(2)様々な経験を通じて「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てること

こまき食育あれこれ



【インタビュー】
中東 真紀さん        平手 雅人さん        永守 良江さん
中東 真紀さん

1.こまきの食育との関わり

Q. こまきの食育に関わられるようになったきっかけを教えてください

大学に勤務していた頃、農政課の方に声を掛けていただき、学生と一緒に「いきいきこまき」の農業祭に参加したことが最初の関わりです。学生の実習先でお世話になった栄養教諭の林紫先生にご指導いただき、「朝食の大切さ」や「野菜をたっぷり摂る」ことをテーマに「楽しく学べるコーナー」を担当しました。

Q. こまきの食育の活動で印象的なことを教えてください。

学生は「いきいきこまき」で、毎年「食育コーナー」を担当していますが、4年生が自主的に活動をして、
次の後輩にバトンタッチをしていきます。卒業しても参加する先輩も多く、
「もうそろそろ準備しないといけないよね」と毎年楽しみにしています。
「食育コーナー」では、多くの市民の方とふれ合うため、コミュニケーション能力が大切になります。
また、いろいろな質問に、その場で答えなければならないため、すごく勉強になると思います。
こまきの食育活動は、学生にとっては社会にでるための準備として、
すばらしい教育の場であると実感しています。

Q. こまきの食育に先生や学生さんが関わることや来られた方について気付いた点があれば教えて下さい。

会場に来ていただいた市民の方が「説明を受けるだけではもったいないね、ちょっとした試食会とか簡単な料理教室とかやってほしいな」とお話されました。その声を聞いて「やろう、やりたい!」と学生がとても素直な気持ちで喜んでいるのを見たとき、市民の声って、すごい力を持っているのだと感じました。

Q. 今も大学で学生に教えていらっしゃいますか?

現在は、病院で患者さんの栄養管理や栄養相談を担当していますが、
大学には非常勤として教鞭を執っています。
「いきいきこまき」で一緒に頑張った学生たちとは、ときどき集まって交流を深めていますよ。

2.IBD(炎症性腸疾患)と食事について

Q. 中東先生のご専門について教えてください。

主にIBD(inflammatory bowel disease:炎症性腸疾患)、摂食・嚥下障害、慢性腎臓病などの 傷病者の栄養食事管理です。 IBDは潰瘍性大腸炎(Ulcerative Colitis)とクローン病(Crohn’s Disease)のことをさしますが、大腸、または大腸及び小腸に認められる難治性の慢性の腸炎です。
潰瘍性大腸炎(UC)とクローン病(CD)は、厚生労働省より特定疾患に指定されています。若年で発症することが多く、症状としては下痢や発熱などがあり、重症の場合には手術が必要になることもあります。
また寛解と炎症を繰り返す疾患なので、在宅での療養生活が大切です。
食事療法は低脂肪・低刺激食、狭窄などがある場合には低残渣食といって、食物繊維を控えた食事療法が必要になることもあります。

Q. 病気のことを知らないがために、症状が出ても分からなくて治療になかなか繋がらないっていうのもありますか?

はい、ありますね。下痢と便秘を繰り返して、下血があると「あれっ、痔かな?」と痔ろうと間違えて治療を受ける患者さんもあります。その後、数年して疾患名が確定するケースも多いですね。

Q. IBDの方は、食事さえ気をつければ日常生活を送ることは可能ですか?

炎症部位や重症度によって、症状も治療方法も違います。
食事療法も大切なのですが、それだけでは完治しないのが特定疾患です。
クローン病は口から肛門まで、炎症が起こる疾患で、患者さん個々に炎症部位は違います。
また、潰瘍性大腸炎は大腸に病変があるのですが、直腸型・左側大腸型・全大腸型に分かれています。 深い潰瘍の場合には、腸閉塞を起こす場合もあります。

Q. 病気の部分を切ってしまえばいいという訳でもないのですか?

クローン病で、小腸に病変ができて腸管が細くなってしまった場合には、小腸を切らずに拡張する術式もありますが、切除しないとならない場合もあります。
小腸は栄養素を吸収する器官ですので、短くなってしまうと、栄養が吸収しにくくなります。
潰瘍性大腸炎で大腸を全部摘出した患者さんの場合は、術後、元気に過ごされている方が多いです。

3.食と楽しさはセット!

Q. 食や食に関連して、先生が、大勢の人たちに伝えたいことは何でしょうか?

ひとりきりで食べないことです。家族や仲間といっしょに食べながら、楽しいコミュニケーションをしてほしいですね。食育の大切なところだと思います。

Q. 今、 “元気な高齢者はできるだけ元気な状態で”という介護予防観点から、各地でサロンが開かれています。 きちんとした栄養指導や料理のアドバイスができると違うと思いますよね。

介護老人保健施設を訪問したときに、6人ぐらいのグループに分かれて食事をしていたのですが、
そのひとつに、食事摂取量の良い女性グループがありました。
他のテーブルよりも極めて食事摂取量が高いのです。
その理由を施設のスタッフに尋ねたところ、女性ばかりのせいか、食事時間になるとおしゃべりが弾み、 みんな大きな声で笑いながら食事をしているそうです。
この女性グループのような元気なおじいちゃん、おばあちゃんをいっぱい作りたいですね。

4.健康は、食と休養と運動から

Q. 日々の生活の中で若いうちからちょっとでも気をつけていた方がいい事ってどんなことがありますか?

当たり前のことですが、食べることだけではなくて運動と休養も大切です。
私は管理栄養士ですが、実はダメダメ栄養士なんです。 睡眠時間が1日平均4時間で、運動はゼロ。
せいぜい病院内を歩く程度ですから、1日の歩数は5000~6000歩程度。これでは代謝が悪くなって、メタボちゃんですね。
年1回の健康診断で糖尿病予備軍や、脂質異常症と診断された方が初回の栄養相談に来られますが、 男性は30~40代の男性が比較的多く、女性では50代が目立ちます。
男性は残業や夜勤が多いために食事時間が遅くなり、就寝前にアルコールとおかず中心の夕食を摂る場合が多いようです。
また女性では、閉経後にコレステロールや中性脂肪が高くなり、悩んで見える方がいます。
この両者に共通して見られることが、運動不足とストレスです。長時間労働のために運動や休息の時間が取れなくて悩んでいるケースが多いです。

Q. 食事療法というと大変ですが、例えば毎日コンビニエンスストアで買う食品の選び方とか、第一歩としてのちょっとしたアドバイスはありますか。

野菜を先にたっぷり選ぶことです。サラダから手に取る方は少ないと思いますが、お腹が空いているときに買い物をする場合、普段は食べられない量を買い過ぎてしまうことがあります。青菜のお浸しと野菜サラダ、金平ごぼうなどを先に選んでから、最後にメイン料理と主食(ごはん・パン)を選ぶようにします。

Q. 成人の方は健診を受けた時に、この数値を気にしたらいいよというアドバイスはありますか?

生化学検査データで見るのであれば、血糖値とヘモグロビンA1c(A1c-NGSP)、総コレステロール、HDL、LDL、尿酸値などが必要だと思います。身長と体重、血圧も大切な指標になりますね。

5. よい食事とは?

Q. 病院に行くほどではないけども、食事に関してアドバイスがほしいというときはどこに行ったらいいでしょうか?

特に病気ではない場合は、保健センターの保健師や管理栄養士に聞いていただいても良いかと思います。

Q. 一般の人の食事内容で気をつけることは何ですか?

1日の必要栄養量は個々に違いますので、その人に合った栄養量を必要な分だけ摂取することです。
規則正しい食生活と、栄養バランスの良い食事内容にすることが大切です。
その内容については、またこのサイトでご紹介できると思います。

6. これからの食事とこまきの食育

Q. 情報提供の窓口とかで先生が思い当たるところはありませんか?

このサイトですね。ここでいろんな疑問を聞いて頂いたらと思います。

Q. 小牧の食育を進めるにあたって、ぜひここはポイントというものがあれば教えて下さい。

現代は、環境の変化がすごく早いです。生活環境が変わると同時に、疾患も変わってきますので、
その時代に合わせた食育が必要だと思います。
21世紀では大腸の疾患が増加していますが、その原因のひとつに、脂質量の増加や食物繊維量の減少があります。食育チームの重要な課題であると思います。

Q. 最後に何か一言ありますか?

こまきの食育のメンバーはすごくいいチームです。全員がお互いの活動を知れるような機会があればいいなと思います。

7. 次に向けて

Q. 歯医者さんに先生から何か質問するとしたら、何かありますか?

子どもの歯を診ている先生に教えていただきたいことは、最近の子ども達はあごが小さいということを聞きます。そうすると噛み合わせや歯並びが良くないと思います。
そういう子ども達は増えているのか、またその原因は何なのかを是非教えてください。 最後に噛むことの大切さについて、いろいろとご教示いただきたいと思います。

中東先生のプロフィール

鈴鹿医療科学大学 准教授
四日市社会保険病院 IBD専任管理栄養士
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